走って、走って、ときどき海遊び

ラスコです。人生3分の2を終え残りは、ジョギングで走って、自転車で走って、ときどき釣りとウインドサーフィン.....

木曜日:非行少年について考える

iPadで読書ノートの作成から印刷まで終わりましたが、読書ノート自体はまだ仕上がっていません。

iPadでは、本の要約を書き出したまでです。著者の狙い、本文の要約、ポイントを箇条書き。これをA4-バインダーノートの見開き左ページに印刷し、見開き右ページには自分の主観を手書きしていきます。

読書感想文であり、考えを展開し新たな思考を手に入れる重要な作業です。そういった意味からすると読書ノートというより学習ノートに近いのかもしれません。

 

今回読んだ本は、宮口浩治著「ケーキの切れない非行少年たち」です。2019年7月出版でベストセラーにもなっているので、お読みになった方も多いと思います。

 

 

出版されてすぐに興味があったのですが、このころから本は電子書籍で買うことにして、iPadを買ったら本格的に読んでみるつもりでした。

新書だし、テーマも限られた内容のようなので、不慣れな読書ノート作成に適しているのではと今回挑戦してみました。

 

特に非行少年そのものに興味があった訳ではありません。身近にそういった人がいないので、身に迫った問題でもないと考えていたのですが、本を読んでみて、何も非行少年だけの問題ではないなと考えさせられました。

非行に走っていないだけで、本書でいうところの問題を抱えた少年や青年、あるいは中年も高齢者も身近な存在なのかもしれません。

 

本書では、非行少年の多くには知的障害が背景にあることを教えてくれています。

ここで対象とされた知能指数(IQ)70から85未満の限界知的障害者や、IQ70未満の知的障害者の人数を知って愕然としました。日本だけで1700万人いるというのです。人口比で12%程度です。そんなにいるわけないだろうと、厚労省のデータを調べたら事実でした。

 

非行少年そのものに興味がないのに、なぜこの本を読んだのかと言うと、私でも接する可能性があるかもしれないと考えたからです。車の運転をしているときです。

とんでもない運転をする人たちがいるようです。後先を考えない無謀をする人たちって、この本に描かれている少年とどこかで重なってくるのではないかという思いがあったので、そこに関心を持ちました。

カッとする場面に出くわしても、グッとつばを飲み込んで冷静にならないといけません。

 

著者は、本書を通じて非行少年の実態や非行を防ぐ対策について述べています。そういう実態を広く伝えたかったということです。ベストセラーとなったことでその思いはある程度果たせたのでしょうか。類書も数多く出版されているようです。

私が読後に一番興味を持ったのは、実はそこのところではなく、認知機能(見る力、聞く力、想像する力)の強化ということです。五感を通して周りの情報を取り込むにしても認知機能が弱ければ得られることも少なくなります。勉強のために同じ本を読んでも学ぶところが少なくなってしまうということです。

読書ノートをつけて本書を総括して思いめぐらし、最後に赤字で強く書いたのはそういったことでした。

もし本を読むだけで終わっていたら、本の内容を覚えているだけでしょう。それを何度も反芻して文字に著したり項目を並べ替えたりしていることで、自分なりの考えの展開が生まれてきました。これこそ読書ノートをつける醍醐味です。