カレーでも酒でも、甘口を好む人が増えていると今朝の日経新聞記事だ。
記事の中で幾央大学大学院の山本恭二によれば、苦さや酸っぱさを美味しいと感じるための訓練が子供のころから足りないのではないか。甘味は本能的に好むのに対して、味覚の訓練が不十分なまま育ったのではないか。と解説。
この記事を読んでいて思い出したのが、超勉強法などの著書のある野口由紀夫氏が本の中で書いていた、読書の大切さについてだ。
読書といってもその時々の流行り本のことではなく、世界名作文学のような本のことだ。
こういった名作文学を何故読まなければいけないのか・・・
長い年月や民族の枠を超えて人々に永く読み継がれてきた世界名作文学のような作品には、人類にとって共通に学ぶべき普遍的なテーマが描かれている。共感するものがあるからこそ民族や時代を超えて読み継がれてきた。
そこには人類共通の財産として受け取る価値がある。さらに年齢を追って読むべき本を選ぶことの大切さを野口氏は言う。
本に書いてあったことは正確に覚えていないので自分の言葉でなぞってみる。たとえば30代の社会人になってからロマン・ローランやアンドレ・ジッドの本をわくわくしながら読むことは難しい。いい年こいて読んでられないだろうということだ。
この手の本は高校や大学時代に読んでおかないと仕事を持つようになってから読むことは難しく、若いころに読んでおかなければ一生触れる機会を失ってしまう。
小学校に上がる前、小学生になってから、思春期を迎えた中学生になってから、恋多き高校生、悪さを覚え社会を意識し始める大学生、それぞれの年代に読むのにふさわしい本がある。年齢に応じて読みすすめることによって感性が徐々に育っていくのだと言う。
子供のころから指定図書のような本を順番に読んでくれば感性の育ちからに応じて読みたくなる本もレベルが上がっていく。
ただし、子供はそのことが分からないから大人が年齢にふさわしい本を選んで与えてあげなければいけないという。感性って大切に育てていってあげなければいけないんだ。
スポーツを覚えたり、手に職をつけたりするのと同じにとらえればいいのだろう。
好き勝手に読んだりあるいは全く読まなかったり、食べたいものを食べたりしていると、好き勝手人間に育つだけだ。人間は勝手にだって育っていくだろうが、中身は勝手には育たない。
味覚も同じように育てていくものであることを今日の新聞で知った。