走って、走って、ときどき海遊び

ラスコです。人生3分の2を終え残りは、ジョギングで走って、自転車で走って、ときどき釣りとウインドサーフィン.....

火曜日:「罪と罰を読まない」を読む

正月気分も2日までにしておいて、きょうからいつも通りに起床。
明日には株式市場も開きますんで。

年末年始は、Amazonプライムビデオで楽しまさせてもらいました。今夜は寅さんでも観るかな。

読書の方もはかどりました。

 

2015年12月に定年退職して以来、積読状態になっていた本を少しずつ整理しています。リーダー論や起業家物語は、興味が無くなってしまったので読み終わった棚に移し、どうしても読みたい本だけ読んでいます。

そのうちの一冊「罪と罰を読まない」岸本佐知子、三浦しをん、吉田篤弘、吉田浩美、著を読み終わりました。

当代を代表する四人の作家さんが、ドストエフスキーの「罪と罰」を読む前と読んだ後で、感想というかああだこうだ話していく内容です。ある意味「罪と罰」の解説書と言えるでしょうか。

 

■2回挑戦も読了できず
私は「罪と罰」を読み始めて途中で挫折しました。高校生の時と大学生になってからの2回です。2回とも途中で読めなくなってしまいました。

理由は長いからではなく、物語の途中から宗教についての話が出てきて、理解できなくなってしまったのです。

理解できないというより、つまらなくなったというのが本音です。最後まで読んでいないので物語がどう終わったのかわかりません。

今回の「罪と罰を読まない」を読んで結末を知りたかったのと、この作家さんたちはどんな読み方をして、特に宗教の問題をどのように解決して読み進めたのか知りたかったのです。

 

■会話形式が苦手
まず、この「罪と罰を読まない」の感想から書くと、40代から60代までの四人の会話形式で書かれているのですが。

読み始めて違和感を感じました。本当にこの方たちはこういう会話をしたのだろうか。

正直気持ち悪く感じました。この年齢の方たちが、「罪と罰」について話し合うなんて、へんじゃない。仕事ネタってことでしょうか。(生意気言って申し訳ありません、正直な気持ちです)

そこで、読み方を変えました。これは本当の会話ではなく、代表となっている吉田篤弘氏の創作で、親しみやすくするために会話形式をとって書いているのだ。

こう考えたのは成功したようです。最後まで読めましたから。

 

■欧米文学とキリスト教
私が一番興味のあった宗教問題をどう解決したのかについては、一言も触れられていませんでした。

もしかすると本題にはあまり関係なかったのでしょうか。私が文字ばかり追って読んでしまったため、袋小路に入り込んでしまったのかもしれません。

ただ、私が学生時代に考えたのは、欧米文学を理解するためにはキリスト教のことが分からないと、本当に物語も理解できないんだろうということでした。

さらにロシア正教は独特で、西ヨーロッパのキリスト教とは異なるとがあるようです。

 

そのことは、昨年からのロシアのウクライナ侵攻の解説をする、筑波大学名誉教授の中村逸郎氏のお話で垣間見えることとなりました。

中村氏によれば、ロシアは西ヨーロッパ諸国から見下された存在だった。ロシア正教は宗教改革もなされず、そのせいで資本主義の発達も遅れ、生産効率が遅れたことでロシアは貧しかった。ロシア人もそのことを負い目に感じていた。といったようなお話です。

ロシア人気質、ロシア正教、宗教改革、こんなことは今ならインターネットでごくごく簡単な解説を見つけることもできます。時代背景を理解することで、欧米文学を理解できるようになるのかもしれません。

まっ、そこまで勉強しなくても「罪と罰」は楽しめるのかもしれませんけど。

 

■登場人物の多さへの対処法
今回、「罪と罰を読まない」を読んで参考になったことがあります。

ロシア文学のとっつきにくさとして挙げられるのが、登場人物の多さと人名です。なじみのない名前で覚えにくいのです。

本名以外に突然愛称で呼び合ったりすると、わけわからなくなってしまう。

これの解決法は、人物相関図などメモを取ることと登場人物のキャラ付けをすることです。

 

■3回目に挑戦するか
どうしよう。もう一度「罪と罰」に挑戦してみようかな。

実は本棚には、ロシア文学全集がでーんと置かれているのです。学生時代に小遣いをやりくりして買ったものです。もちろん「罪と罰」もあります。何十年かぶりに本を取り出してみました。

本を開いて愕然としました。
字が小さくて読めないのです。老眼鏡を通してもとても読めません。
まあ、もう一度「罪と罰」に挑戦するときは文庫本を買うことにします。

 

■挑戦することの象徴
ついでの話ですが。私のこのブログでの名前「ラスコ」は、「罪と罰」の主人公ラスコーリニコフの最初の3文字からとったものです。

難しくとっつきにくく敬遠していたロシア文学ですが。「罪と罰」を読んでみたら、とにかく面白い。とっつきにくく感じるけど接してみたら面白い。遠ざけないでなんにでも挑戦してみよう、を象徴するものとして「罪と罰」があるのです。

でも途中までしか読んでいないので最初の3文字だけとってラスコと名付けました。

 

会話形式がなじめない、気持ち悪いと生意気を書いてしまいましたが。とっつきにくいロシア文学への取り組み方を学べたようです。読んでよかった。

今年は、漱石全集に取り組んでいきますよ。