このブログタイトルの背景写真は、南房総の白浜で2011年8月に撮影したものです。
房総半島最南端の野島崎灯台の西側に広がる2Kmに渡る海岸です。
地図で見ると海岸間近まで山の緑が迫っているのが分かります。山間を縫って走る狭い道路が寸断されてしまえば、まさに陸の孤島にってしまうことがよく分かります。
写真だと広い海岸が続いて、いい波が立っているように見えます。
でも、いつ行っても遊んでる人はいません。潮流が早く危険という標識を見つけました。
真新しい注意喚起の標識の下、海岸は打ち上げられたゴミで荒れています。人がいない風景に怖さを感じます。
釣りをするにも、遠浅であちこちに岩場が隠れているので、ルアーを投げてもロストの山なんでしょう。
海岸から400mほど沖の小さな岩の突起に乗って、磯釣りをしている人を見かけたことがあります。
釣り人はとてもくつろいでいるように見えます。慣れてしまえば、人に邪魔されることもなく自然を独り占めできるくつろぎの場所なんでしょう。
もちろん、個人でボードを漕いて渡ったわけではなく、地元の渡船の情報に従って安全を確認したうえで渡してもらってのことです。
私ですか。一人でこの場所の釣りはとても無理。ベテランオンリーの釣り場です。
海岸道路沿いにも人家は1軒2軒あるだけです。
海岸沿いの遊歩道。今だったらいいランニングコースに見えてきます。
堤防もなく強い波だともろにかぶるんだろうし、防風林もなく潮風の影響で鉄サビなど厳しい環境が想像できます。
台風15号の災害の影響も厳しかったことでしょう。TVでは被害にあわれた方のインタビューをみますが、打ちひしがれ泣きじゃくる人はいません。
自分があの当事者の立場になったとき、あのようにしていられるんだろうか。
何十年も昔のことです。久米宏さんがニュースステーションのキャスターをされていたとき。
北陸だったか長野だったか忘れましたが、真冬に豪雪に見舞われた現地の方に質問していました。
「毎年、毎年、こんなに雪が降って嫌になりませんか」
「春になれば花が咲いてきれいですよ。それを知っているから、全然嫌じゃありません。」
と笑顔で答えていました。
災害をもたらす自然を恨んでもしょうがない。耐えて待つことで、じきに太陽が輝いて恵みをもたらしてくれる。
これが日本人の、力強いメンタリティーの基本になっているのでしょう。