今週のお題「好きな小説」
「今週のお題」に参加します。好きな小説についてですね。
四十代半ばから岩波書店の「漱石全集」を1冊ずつ買い集めました。年金生活になったらそうそう本も買えないだろうと考えて、1冊4000円からする全集をコツコツ集めたのです。
なぜ人生の最終コーナーで漱石を読むことにしたのか。今となってはよく覚えていないのですが、高校、大学と漱石の本は一人の作家としては一番読んでいました。何か惹かれるものを感じたのでしょう。
12月に69歳を迎えるので、そろそろ読み始めてもいいころになってきたようです。
ところが心配が出てきました。小説を読む自信がないのです。本を読むのに自信も何もないだろうと思われるでしょうが、小説を読んでも面白くもなく、途中で読み止めることが多くなってきました。
軽く読めそうなので本屋大賞とかの本を読んでも、ちっとも面白くない。年取って嗜好が変化してしまったのでしょう。
若いころはコーヒーが好きで、豆を買って家でミルを挽いて飲んだりしていたのですが、今はちっともおいしいと感じることがなくなった。
小説を読む楽しさを取り戻そうと、人気のある村上春樹氏の作品を調べて何冊か買ってみたのですが。「ノルウェーの森」を3分の1も読まないで飽きてしまいました。
この歳になって青春物や恋愛物語なんて興味ないし、青春学園物も面白く読めるはずがない。まてよ、漱石の「坊ちゃん」て、青春学園物だったのでは。ああ、困った。読めるのかな。
せっかくゆっくり本を読める時が来たのに。準備しておいた漱石全集はどうしよう。このほかにファーブル昆虫記も用意してあるのですが、困った。
思案の結果、読み方を漱石研究ということにしました。漱石については解説本が多数出ていて、物語の裏に隠れている諸事情を解説してくれています。
例えば、「吾輩は猫である」がありますが、何で猫の目の視点で書かれているのか。若いころは、疑問に感じることなく書いてある通りにしか読んでいなかったのですが、考えてみれば不思議な設定です。そこには何か社会事情なりあったのかもしれません。そこら辺を解説した本もあります。
一つの作品をじっくり味わって読んでみよう。どうして漱石を選んだのか、何に魅力を感じたのか。その辺も答えを見つけてみよう。
ちなみに、ファーブル昆虫記は1作品読むたびに昆虫の絵を描いてみようと考えています。挿絵って言うのかな。絵心なんてちっともありません。これから本を読んで練習方法を習うところから始めます。
こうなると、生きている間に全部読み終わるのか、そちらが心配になってきました。
ちょっとわくわく感が出てきたような。