はやぶさ2が小惑星から持ち帰った石に、アミノ酸が含まれていたことが報道されていた。これまで隕石からアミノ酸が検出されたことはあるが、地球外から採取した物質からアミノ酸が発見されたのは初めてという。
生命の誕生に必要なアミノ酸が宇宙空間から降り注ぎ、地球に生命が誕生したとする説も信ぴょう性が出てきたわけだ。
今、生きながらえてこの世に存在する人は、その系譜をたどっていくと必ずこの原始生命に行きつくはずだ。なんとも長い旅をしてきたものだ。
若いころこんなことを考えたことがある。長い生命系譜の中で、ほんの少しでも遺伝子に変化があったら自分はここには存在しない。
もしかしたら木に生まれて、そこに置いてある本棚になっていたのかもしれない。そう考えると今の自分がとても尊いことに思えてきたものだ。
でも、この考え方は間違っていることに気が付いた。何が間違っているのかというと、時間は逆行しないということだ。今自分が存在することは奇跡に近いと思っていたが、それは時間を逆にみているからだ。
生命は淡々と時を経て遺伝して次のものに受け継がれているだけで、そこには何の意味もない。
だからといって、今の自分が意味のない存在だというわけでもない。まあ、そうだな。意味があって尊いのは過去の系譜ではなくて、希望や夢を持って未来を持つことだろう。
はやぶさの金属キット。
もう何年も前に買ったものだけど、いまだに組み立ててない。組み立ててしまうとそれで終わってしまう。完成品を棚に置いておいてもホコリにまみれるだけだから、それが嫌で組み立てないんだ。
はやぶさ2の話題を見て、なんだか年甲斐もなく思いをはせてしまったな。