録画しておいた映画「愚行録」を観ました。
wowowの”新進気鋭監督特集”で紹介されたうちの一本で2016年の作品です。
妻夫木聡、満島ひかり、小出恵介、中村倫也と配役だけ見ると、若手俳優のチャラチャラした物語かと思いがちですが、全く逆です。
Yahoo!の映画コーナーの一般の方の評価でも「絶望的、不気味、せつない」の言葉が並んでいます。
久しぶりに物語の進行に引き込まれて、2時間があっという間に過ぎました。満島ひかりさんの一点を見つめた悲しい演技に魅せられました。
ネタバレになると台無しなので内容には一切触れません。
観終わって、「無」が残るだけです。これはフィクションだし、ここまでの愚行には触れたくない考えたくもない。そういった意味で「無」です。
映画の雰囲気に合う写真を探しました。カラーをモノクロに処理してみたら少し合う感じです。木々のように人間関係が複雑に絡み合っていました。映画の方ももう少し暗いトーンでも良かったのかな。この写真は、東伊豆に磯釣りの場所を下見したときの磯に向かうまでの林の写真です。実際の釣りのときは、夜明けの1時間前の真っ暗な中をヘッドライトを頼りに磯を目指します。
濡れ場シーンもなく、TVドラマでよくお見かけする俳優陣の映画ですが、お子様と一緒に見るような映画ではありません。
みんなでワイワイ言いながら見るものではなく、一人で静かに観て、静かに忘れていったほうがいい映画です。
まさに愚行を伝えるストーリーです。忘れてしまいたいのです。
爽やかな俳優陣の出演ながら爽やかさなど微塵もなく、絶望的な気持ちにさせられる映画です。
つまらない映画という事ではありません。2時間を、次の展開はどうなるんだと心が揺さぶられながら楽しめたことは確かです。