エアコンいらずで、窓を開けておけば涼しい風が気持ちいい。
昨日は、自宅からクルマで1時間半ほどにあるご先祖様の墓参りに行ってきました。朝早く出たので渋滞にハマることなく快適にドライブしてきました。
帰路につく頃には、反対車線の下り方面はどこも大渋滞でした。
今日は朝から、洗車しようかと天気予報を見ると、台風の接近で関東でも木曜日から大雨のようなので洗車は週末に繰り越しました。
さて、昨日の前編の続きを書きます。前編はこちらをご覧ください。
読み返してみると、前半は表題とは関係ない再雇用の地獄についての話でした。
とは言っても、けっしてブラック企業ではないのです。女性でも定年退職まで勤め上げる人が多いような会社でした。一旦退職してしまうと辛いもんです。
もったいぶらないで後半を書いていきましょう。
■株で楽に稼ぎたい
会社の再雇用制度を利用して2年を無駄にしたと愚痴ってきたA氏。
次に話を私に向けてきました。
A「ところでどう?株はまだやってるの。」
私「なんとか生き残ってやってるよ。3年は辛い日が続いたけどね。」
在職中に、再雇用しないで若い頃からやってきた株投資でなんとかやってみるよ。なんて話をA氏にしたことが有りました。
デイトレとかやるんでしょ。あれって簡単に儲かるらしいね。なんて言われて、ああ、この人は株投資したこと無いんだろうな。話が盛り上がらないように聞き流していました。
どういう統計なのか知りませんが、株投資をしている人で稼げている人は個人投資家の5%もいないなんて聞きます。デイトレになるとさらにその数分の1ぐらいとか。かなり厳しい道です。
A氏が電話してきた用件がそろそろ見えてきました。
A「おれもさー、株やってみよかと思ってさ。相談に乗ってくれない。」
やっぱりこういう展開か。
私「でもさ、今まで株やったこと有るの。」
A「ないよ。だからさっ、先輩に相談ってわけだよ。」
株投資で簡単に稼げると思っているようだ。こりゃ、なんとか止めさせないと。
お前が出来たことだったら俺に出来ないはずはない。とでも思っているんでしょう。
私「で、今はどんな勉強しているの。」
A「だからさっ、そこんとこから教えてほしいんだ。金と時間はあるんだよ。」
ぎゃふん。64にもなって自分の身の振り方を、そんな安直に考えているのか。
今更株に足踏み入れたら老後資金を失うだけだ。絶対にやめさせないと。
■多少のアドバイスはしたけど
正直言って話すのも面倒くさくなってきたけど、いくつかのアドバイスをしました。
- はじめての株式投資とか、そんな本から始まって株の本だけでも100冊以上読むこと。
- 日本経済新聞は朝刊だけでいいから毎日読んで株式欄のまとめノートを作ること。
- テレ東のWBSやモーサテ、昼や15時過ぎの株式ニュースを見ること。
- インターネットから株式情報のサイトを見つけて毎日見ること。
- 以上を1年続けて、株式投資をする気がもりもり出てくるんなら、証券会社に口座を作って売買のシミュレーションをすること。投資日記は毎日つけること。
- 相場を徹底的に観察することを少なくとも3年行なって、売買のシミュレーションで8割以上の勝率になったら少額で実際の売買をする。
こんなことを延々30分は話したかな。自分の通話料金じゃないからどうでもいいけど。
株式投資のセミナーに出掛けたことはありません。勉強は本、DVD、有料サイトなどでしました。一つのことに向かって勉強することが好きだったんです。
ただ、ここで一つお断りしておくと、アドバイスした項目をすべてやったからと言って稼げるようになるわけではありません。
株投資のイロハにすぎないのです。
私は株式投資を始めてから30年。株式投資の本は100冊以上読んだことでしょう。それでも、参考になったと思えるものは1冊2冊程度しかありません。
特に役に立たなかったのは、どうやったら勝てるのかの手法についての本です。
じゃ、どうやって稼げる手法を得るのかと言ったら、相場を徹底的に観察することです。そこから自分の性格や資金に合った手法を自分で生み出していくのです。
だから、株式投資の本だけではなく、科学的手法や論理学、あるいは心理学などの本を読むことが、遠回りではあっても大いに役に立つことになるのです。
A氏もだいぶ飽きてきて、相槌を打つ声も小さくなってきたようです。
すると、次にとんでもないことを言い出したのです。
A「それだと4年も先の話になるじゃないか、俺がいくつになると思うよ。」
A「そんな難しい話じゃなくて、君が買った銘柄をメールで教えてくれればいいんだよ。」
それに対しては、遠まわしにでも何でもなくきっぱり断りました。
仮に私の勝率が100%であったとしても、そんな余分な気苦労を背負うことで投資判断に狂いが出てくるからです。
そこまではっきり言って断りました。もう二度と電話してきてほしくないし、会って話すなんてとんでもない。
さっきアドバイスしたことが出来ないのなら、老後資金を失うだけで終わるから止めたほうがいい。と伝えました。
そうしたらなんと言ったと思います。
A「さっきのアドバイスをメールに全部書いて送ってくれよ。」
もう手のつけようのないバカ野郎だ。
電話口で「ふざけんな!」と怒鳴って終わらせました。
A「相変わらずだな。けちるなよ。」
本当にこう言ったんです。悔し紛れに何という捨て台詞。
もう何も言う気もなくて、黙っていたら「じゃーなー、無駄だったか」と言って向こうから電話を切ったのでようやく終わりました。
最後は何も言わないで黙っていたから、もう電話してこないよな。
■今までどおり堅実に生きていく
60過ぎまで株投資に縁もなく手堅く生きてきた人間が、なぜ今更興味をもつのか。取りも直さず株投資だと楽して稼げると思っているのでしょう。
これまでの蓄財や退職金などある程度まとまった資金を手にして、これを遊ばせておくなんてもったいない。
しかし、それは30代の頃に考えることであって、60を過ぎてからやることではないでしょう。
若いうちなら投資額も少額で失っても被害が少なくて済む。何より本業を持っているから投資資金をためて再起することも可能です。経験を積むだけの時間も十分にあります。
今まで過ごしてきた堅実な人生をなぞっていくべきです。
定職がなくなってから、縁もゆかりもなかった投資の世界で冒険をしてはいけません。
60過ぎてから株を始めるなんて止めたほうがいいって。
ただ、誤解なきよう付け加えると、株投資は堅実な生き方ではないと言うことではないのです。
若い頃から何十年の間いくども投資で失敗を重ねながらも、生き残ってきた事実があるのなら、きっと堅実な投資手法を取得しているはずですから。
最近デイトレで主に手がけているのは、テラスカイ(3915)メドレー(4480)すららネット(3998)グレイステクノロジー(6541)です。連休明けの日経平均は大幅に下落しそうですが、各銘柄の前場の底値を見極めて後はじっくり挑んでいくだけです。
まさか、4年経ってから…..
A「お前の言うとおりにしたのに、老後資金全部なくしたじゃないか、どういうことだよ。」
なんて言ってこないことを祈るばかり。