定年退職前から買い集めていた本。積読状態になっているので、この盆休みの期間に読んでみることにした。
面白いと評判の西加奈子の本は、数ページ読んでやめた。自分には合わないようだ。
次に、「颶風の王」を手にとって読み始めた。
時代は明治の頃から始まる。6世代に渡る物語だが、(単行本では)250ページにも満たない本なので、すべての世代について詳しく書かれているわけでもなく、大河小説感はない。
ところで題名の颶風とは、「ぐふう」と読み、強く激しい風の意味だ。
物語は北海道開拓の募集に応じて、根室に移り住む捨造から始まる。
北海道の地理に詳しくないのでGoogle Mapで根室を検索してみる。北海道の東のはてのような場所だ。
冬の厳しさが想像できる。明治の時代ならその厳しさはより一層だろう。
ネタバレになるので詳しくは書かないが、馬とともに過ごした6世代の物語だ。
物語に書かれている花島は、実際にはユルリ島という名前の島がある。実際に馬との関わりのあることがNHKの番組でもわかる。物語に関わりのある経緯があるようだ。
Google Mapで根室やユルリ島を調べてストリートビューで風景を見ると、小説が立体的に楽しめる。
捨蔵の孫娘が、汽車に乗って霧に包まれた花島を見送るシーンも目に焼き付いてくる。 新しい小説の楽しみ方だ。
余韻の残る小説でした。