走って、走って、ときどき海遊び

ラスコです。人生3分の2を終え残りは、ジョギングで走って、自転車で走って、ときどき釣りとウインドサーフィン.....

今週のお題:心に残るプレゼント

ボクがまだ会社勤めを初めて間もなかった頃、定年間近の部長へ誕生日プレゼントをしようと部署の仲間でお金を出し合い、何にするかはボクに任せてくださいとお金だけ集めた。きっとこれは喜んでくれるぞと決めているモノがあったのだ。すでに下見して値段を調べてあるので人数分で割ってお金を集めた。
部長と一緒に昼食時をとったときに部長が思い出話を始め。今はこんな事務系の仕事をしているけど、子供の頃は工作なんか好きで物作りの仕事なんかもしてみたかったんだ。すごく意外な話だったので良く覚えていた。
だったら工作していく物が良いだろう。すぐに帆船模型を思い浮かべた。年配者がロープの会とか言って手作り帆船模型作りをしているのをついこの間テレビで見たばかりだからだ。大人のホビーはこれだとすぐに決めて池袋のホビーショップで購入した。

完成すると全長1.2m、高さ80cm。帆船模型では定評があるというスウェーデン製の本格的な木製手作りキット。ある程度の工作経験のある人向け。まあ工作が好きだったというのだから大丈夫だろう。
会社でプレゼントすると、通常だったらその場で包装をほどいて「ありがとう」なんて言うのが日本でも一般的だけど、年配の部長はそんなことはしない。家に帰ってほどいてびっくりしたそうだ。もらったときは大きさから言って箱入りの新巻鮭だと思っていたのに、出てきた箱には船の絵。その時点でも新巻鮭だと思ってフタを開けてびっくり。誕生日に新巻鮭をプレゼントされると考えちゃうのもなんだけどね。箱の大きさから言ったら似たようなもんだ。

初めて作るから要領も分からない。小型の専用工具も必要。付属の設計図も基本英語で簡単に日本語が入ってるだけなので輸入代理店に問い合わせて現地メーカーに確認してもらったり、とにかくいい加減が許せない人。なんか大変な物をプレゼントしちゃったみたい。
でも、まんざらでもなく苦労話をしてくれながら半年ぐらいで完成するかなといいながら、結局1年かかって完成。大学生の息子さんに車を運転させて会社まで大帆船模型を披露してくれたり。

とうに定年退職して、今はご病気で寝たきりになってしまったなんてウワサも聞いている。
喜んでくれたとは思うけど、ずいぶんと気を使わせてしまったプレゼントをしてしまった。いまでは複雑な気持ちで、これからはもらっても後腐れなくその場限りで済むモノにした方が良いな。と反省し人生勉強をしたわけです。