みうらじゅん著「ない仕事の作り方」を読み終わったので紹介してみます。
仕事論の本は興味なくなったが
本は殆どアマゾンで購入するが、出先で気になった本を見つけると、いい本にめぐり会えたとすぐに買ってしまう。そのため常に在庫が20冊ぐらい溜まってしまう。
読みたい本から読んでしまうため、中にはずいぶん古い本も残っていて、会社を退職する前に買った本も何冊か残っている。 会社をやめてから読む本の趣向が変わり、組織運営や上司部下の関係みたいな本は一切興味がなくなりました。当然といえば当然のことです。
ゆるキャラの仕事術
その中の一冊にみうらじゅん著「ない仕事の作り方」がある。
2015年秋に買って以来、仕事論のような本に興味がなくなって積読状態になっていた本の一冊です。
みうら氏といえばポップカルチャーの旗手。何やら面白いことを企てて見せてくれる人という印象があるが、今までこの方の本を読んだことはありません。少し妖しげで面白そうな人が仕事に関する本を書いているので、面白い仕事論かと中身を確認しないで買ってしまった本です。
ない仕事を作る…..。
人のやらない見過ごした仕事を進んでやりましょう的なことを、面白おかしく書いてあるのだろうと買い求めました。 読み始めてみると内容はちと違い、みうら氏本人の仕事についてのお話です。
「ゆるキャラ」「マイブーム」という言葉を最初に提案して、世の中に広めたのがみうら氏のようです。
もともと世の中に無かった事柄をまとめて名称をつけ、ひとつのカテゴリーとして人々に認知してもらい、様々な企画で盛り上げていく様子を通じて、ご自身の仕事の内容を説明されています。ない仕事を作る実例として「ゆるキャラ」を取り上げて説明してくれています。
その他に、30年前には東京では殆ど知られていなかった「吉本新喜劇ギャグ100連発」、古い日本人形をフィギュアと和風をかけ合わせた「フィギュ和」、自分でオリジナルのジャケットを着用して個人的に気になる場所を紹介する「勝手に観光協会」、もらっても嬉しくない土産物を集めた「いやげ物」、重い言葉をポップにする「親孝行プレイ、介護プレイ」などなどが紹介されています。
結局要約ノートを付ける
紹介する仕事例の多さに読んでいて途中で中だるみして、活字を目で追うだけの場面も有りましたが、最終的には方眼ノートに読書ノートを付けて要約まで付けるまでに気に入って読んでしまいました。
何が気に入ったかというと、今の仕事の進め方が少年期のスクラップ帳づくりにあるとことが面白そうだったが、つらつら続く仕事例の紹介で、何を言いたいのかわかりづらくなったので、要約ノートを付けて整理してみたくなったのです。
スクラップ帳が仕事の原点
目次にも「少年時代の素養が形になるまで」の項目があるように、今の仕事のスタイルは少年時代に好きな怪獣の記事を集めて怪獣スクラップ帳を付けたことから始まるようです。
あるいは頼まれもしないのに学級新聞を作って、勝手に壁に貼りつけたりしたこともあるが、今の仕事を進める上でのキモになる部分もその頃に覚えたこともあるとか。
今でも新しいジャンルに興味を持ったときにはスクラップ帳を作って、情報を集めることから始めるようです。
少年の頃はお金の掛からない自分の楽しみとして始めたことが、今に生きている。軽いチャラチャラしたコピーライターのお兄さんぐらいにしか見ていませんでしたが、実は下積みをしっかり積んでコツコツ進めていく様子に好感が持てました。
そしてご本人の言う「一人電通」も重要な要件です。この辺にポッと出の一発屋ではない強みがあるのでしょう。
なにやら楽しくなる本でした
さらっと読んでしまえば、みうら氏の仕事紹介本で終わってしまいますが、要約ノートを付けて整理してみると誰にも通じる仕事のキモさえ見えてきます。意外とじっくり読んでみることをおすすめします。
何だか自分でもスクラップ帳を作ってみたくなってきました。お金の掛からない楽しみ方を見つけたようで、嬉しくなる本でした。