走って、走って、ときどき海遊び

ラスコです。人生3分の2を終え残りは、ジョギングで走って、自転車で走って、ときどき釣りとウインドサーフィン.....

「プラネタリウムを・・・」

家の用事で海行きは無しの土曜日。
逗子では朝早くに行けばプレーニングが楽しめたようで残念。

大平貴之著「プラネタリウムを作りました。」を読み終えた。

個人では到底不可能と言われながら、
世界最大の300万個の星空を写すプラネタリウムメガスター」を
独力で作り上げた大平氏の自伝本だ。

それまでのプラネタリウムが精巧な物でも2万個程度の星数
だったことを考えれば圧倒的な性能差だ。

海外からはそんな人間の目に見えない数の星まで作って
何になるのかと言われながら
高校生の頃に見たオーストラリアの天の川を再現したい思いから
天の川の星一つ一つを再現したことで
今まで誰も見たことのない臨場感のある星空を再現し感動を与えた。

子供の頃に筒に穴を開けて天井に数個の星空を写したり
蛍光塗料を星座の形に塗って暗い部屋で一人感動したり。
大平少年のプラネタリウムの夢はそこから始まった。
夢を何十年の月日を経て世界最高性能の機器を作り上げてしまった物語だ。

物作りに打ち込む少年だからといって部屋に閉じこもる
内向き思考ではなく、分からないことは電話してとことん調べる。

電気の知識や工作を指導してくれた近所のエンジニア、
見学に行った川崎のプラネタリウムで閉館後に機器操作させてくれた館長、
光学式プラネタリム製作のため検査落ちのレンズをただでくれたメーカー、
たくさんの大人達がプラネタリウムを作りたいという少年の夢に
賛同し惜しみなく協力してくれ様々な難関を乗り越えていく。

平易な文章で読みやすく、中高生の夏休みの読書感想文にでも
いいんじゃないかと思っているうちに夏休みも終わってしまったけど、
大人が読んでも物作りの姿勢にわくわくする。

完成品のお披露目でのトラブル。この先どうなるんだと
読みふけって電車乗り越してしまったこともある。

自伝と言うこともあるけど、プラネタリウム作り以外の話しは全くなく、
憧れの女性との出会いなんてつまらない脚色がないから、
かえってさわやかに読める。
世界に誇る一級品を作った人の物語です。お薦めの本です。